2018/03/12
太陽からエネルギーを取り出す屋根材、熱電併給も可能に
スマートジャパン 3/12(月) 7:10配信
屋根からの熱電併給で、家に太陽光エネルギーを最大限取り込む
建材や太陽電池セルの製造販売を手掛けるエフウエイブは、「スマートエネルギーWeek 2018」(2018年2月28日〜3月2日、東京ビッグサイト)で、フィルム型太陽電池を一体化した屋根材や、これらの建材を利用した熱電併給システムを参考展示した。
展示した樹脂屋根材
フィルム型太陽電池と一体化した屋根材
同社が開発する樹脂屋根材は、新素材の難燃性高分子合成樹脂を採用し、従来の陶器平板瓦と比較して75%以上の重量を削減しつつも、強じんかつ柔軟であることが特長。同社ブースでは人が屋根材上に乗ることができるデモを用意し、屋根材に傷がつかない高耐久性を訴求していた。
また、一般的な建材で用いられる樹脂素材と比較して、防水性や紫外線による色あせ・割れの発生を防ぐ対候性を兼ねそろえるとともに、樹脂素材が持つ柔軟性の高さを生かして複雑な形状の屋根にも対応できる高い施工性、デザイン性を確保したという。
この他、この屋根材と、同社が2014年に富士電機より事業を取得したフィルム型アモルファス太陽電池「FWAVE太陽電池セル」を一体成型したモジュールを展示。軽量で折り曲げ可能な太陽電池セルと屋根材を組み合わせることで、屋根材の軽量性を損なうことなく、発電の付加価値を加えたとする。
さらに、参考展示として太陽電池付き樹脂屋根材と太陽熱収集器、熱交換器などによる屋根からの熱電併給システム「サーマルルーフ」を提案した。サーマルルーフでは、屋根による太陽光発電と同時に、屋根で受熱した熱エネルギーを熱交換機やヒートポンプによって空調や給湯に用いることが可能になる。
エフウエイブ社長の大谷茂弘氏は本システムについて、「新素材を用いたこの屋根材だからこそ可能になった。電力と熱の同時変換により、太陽光のエネルギー変換効率を35%程度に高めることができた」と語り、新しい屋根材への自信を見せた。
この樹脂屋根材は現在、工場での量産準備段階にあるとし、まず米国市場に投入した後に日本市場での販売を判断するという。太陽電池一体型の屋根材は、数年以内の市販化を目指すとした。
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