2017/07/18
太陽光と風力が“協調発電”、1つの連系枠をフル活用
スマートジャパン 7/18(火) 10:05配信
日立パワーソリューションズは、既設の太陽光発電設備が持つ連系枠の範囲内で風力発電設備を追設し、その出力を制御する太陽光発電協調型の風力発電システムを開発した。系統への影響を軽減する出力変動の緩和制御技術と、既設の太陽光発電の連系枠と発電出力から、追設する風力発電の出力制御値を予測する技術を組み合わせた。太陽光発電事業者を対象に、2017年7月から提供を開始している。
システムの概要 出典:日立パワーソリューションズ
近年、国内では「固定価格買取制度」の施行に伴い、再生可能エネルギーが電力系統へ大量に連系された。そのため、多くの地域で系統連系容量が不足し、新たな発電設備を連系できないという問題が生じており、再生可能エネルギーの導入拡大の阻害要因となっている。その一方で再生可能エネルギーの中で最も導入された太陽光発電は、気象や日照時間の影響が大きく、送電線や変電所の利用率が低いという課題もみられる。
日立パワーソリューションズは、これまで、全国で300基を超える風力発電設備や7カ所に蓄電池併設の出力変動緩和制御型風力発電システムの納入実績がある。さらに、全国8カ所の風力発電設備保守サービス拠点を利用した定期メンテナンスや故障時の迅速な復旧を行う保守サービスも提供している。
こうした背景から、今回、出力変動緩和制御型風力発電システムの納入実績やノウハウ、技術と発電出力予測技術を組み合わせ、既設の太陽光発電設備がもつ連系枠の範囲内で、同じ連系点に風力発電設備を追設し、その出力を制御する太陽光発電協調型の風力発電システムを開発した。
同社オリジナルの発電シミュレーターを活用して、既設の太陽光発電設備の日射条件や最大発電出力から風力発電設備の追設可能量を算出。併せて現地の風況と事業性の観点から、追設する風力発電設備をエンジニアリングすることで、最適な太陽光発電協調型風力発電システムを提案するとしている。雨天時や夜間に風力発電設備を稼働させ、日中時は風力発電を制御して太陽光発電で発電するといった運用が可能になり、連系枠の利用率を高めることができる。
加えて、風力発電設備の追設に必要となる環境アセスメントや工事計画届の届出、電力会社との協議、用地の確保に掛かる各種許認可申請、輸送計画などの事業推進サポートや稼働後の保守サービスを組み合わせた、発電ソリューションサービスを提供していく。
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