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2017/06/26

旭化成ホームズ、新屋根工法を開発 太陽光パネルを効率よく搭載

SankeiBiz 6/26(月) 8:15配信

太陽光パネルを効率よく搭載できるようにした「キュービック ルーミー」(写真:フジサンケイビジネスアイ)

 旭化成ホームズは新しい断熱工法を開発、戸建住宅「ヘーベルハウス」への標準搭載に着手した。また、2階建ての主力商品「ヘーベルハウス キュービック」で、太陽光パネルを効率的に搭載できる屋根形状の新商品を投入した。

 政府は地球温暖化対策の一環として2020年までに注文新築住宅の過半数で、年間に消費する正味のエネルギー量がおおむねゼロ以下となるZEH(ゼッチ=ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の実現を目指している。旭化成ホームズのZEH比率は16年度で11%だが、新工法の開発などを通じて20年には70%達成を目指す。

 断熱性を向上させるには、1階床部の断熱対策が重要なカギを握る。これまでは基礎部の断熱工事で対応していたが、コストを要するのに加え、工期が1週間程度延びるため「従来法に依存していては20年の70%達成は厳しい」(加藤明・マーケティング本部次長)のが現状。これを踏まえ、旭化成ホームズが開発、実用化したのが「ヘーベルシェルタードダブル断熱構法」だ。

 ヘーベルハウスは外壁と床、屋根に構造部材「ヘーベル」というALC(軽量気泡コンクリート)を使用している。今回はヘーベルに接した部分の断熱材を厚くして省エネ・断熱性を大幅に高めた。

 具体的には厚さ75ミリの外壁ヘーベルの内側に、旭化成独自の断熱材で厚さ45ミリの「ネオファーム」を採用した。また、厚さ100ミリの床ヘーベルの上には、従来の3倍の厚みとなる60ミリの断熱材を重ねた。

 既存工法で施工した場合、床が厚くなった分、天井の高さが低くなる。このため、柱を伸ばすなど鉄骨の構造体も一部見直した。

 こうした取り組みによって、2階建ての断熱性はすべての商品で、国が定めるZEH水準を上回った。

 一方、ZEHの普及には「太陽光発電の普及が決め手になる」(加藤次長)という考えから、独自の屋根システムを採用した「キュービック ルーミー」を商品化した。

 旭化成ホームズの主力商品はフラット屋根。限られた屋根面積に高容量の太陽光パネルを搭載する独自技術などによって、太陽光発電システムの設置率は約6割に達する。

 今回開発した「ルーミー」は東西南北の4方向に勾配を持つ寄棟造り。一般的な構造では家の中心部が頂点となるが、ルーミーでは「偏芯寄棟屋根システム」を導入した。これによって屋根の一番高い部分を北側方向に極端に寄せ、南方向の勾配角度を緩くすることで、その部分に多くの太陽光パネルを搭載できるようにした。

 例えば延べ床面積が約100平方メートル程度のコンパクトな建物でも、ZEH化に必要な約5キロワットの太陽光パネルの搭載が可能。設置コストも一般的な寄棟型に比べて約1割削減できる。また、新システムの導入でロフト部の容積が5割増しになるなど空間性やデザイン性と両立させた点も特徴だ。

 

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