2017/04/12
太陽光の自家消費で30%省エネを目指す、日立が実証開始
スマートジャパン 4/10(月) 22:40配信
■過去のデータを用いて予測した需要モデルを活用
日立パワーソリューションズは2017年4月から、年間電力使用量30%削減を目標とした自家消費型太陽光発電設備効率化システムの実証実験を開始する。
【実証設備イメージ】
実証実験では、太陽光発電パネル350枚と蓄電池で構成された自家発電設備と負荷設備を、自動制御機能付きEMS(Energy Management System)で制御。過去のデータと組み合わせて電力需要や発電量を予測した需要モデルを作成し、太陽光発電設備を有効活用するための蓄電池の充放電や電力負荷の自動制御を検証するものである。
同社はこれまで再生可能エネルギーを利用した発電システム、発電電力を効率的に使用するための蓄電池システムやEMS、省エネルギー診断サービスを提供してきた。情報制御関連システムの設計・製造、保守サービスの拠点である大みか別館では、省エネ法対応として電力を「見える化」し、2010年から使用料データを蓄積しているという。
実証実験ではこれらの実績やノウハウを用いて、天候などの気象情報と過去の電力使用量データから1日の電力需要を予測。気象や日照などのデータから太陽光発電設備の1時間ごとや1日の発電電力量を予測して、電力の需要モデルを作成する。
また電力需要のピーク時に充放電や空調などの負荷設備を自動的に制御し、発電と電力使用を最適化する自家消費型太陽光発電設備効率化システムを構築する。広報担当者によると、工場やオフィス向けといった比較的小規模なシステムで、需要モデルも組み合わせた自家消費型太陽光発電の自動制御付きEMSは、これまでにないだろうとする。
実証実験の期間は2018年3月までの1年間。システムの価格は蓄電池の有無によっても変動するが、大みか別館の太陽光発電設備(100kW)+蓄電池(50kWh)の場合で、約5000〜6000万円という。広報担当者は「実証実験後は、工場やオフィスに向けた自家消費型太陽光発電設備の新規導入や改良提案で事業化を検討していく」と語った。 |