2017/04/03
使う家電を選べる蓄電池配電システム、西洋ハウジングが開発
日刊工業新聞電子 4/2(日) 8:38配信
蓄電池から電力供給、住宅内で自由変更
配電システムの専用の盤と蓄電池(左)
西洋ハウジング(東京都豊島区、佐藤幸浩社長)は、蓄電池の電気を使う家電を選べる配電システムを開発した。使う先を選べない蓄電池システムが多いが、新システムは住人が生活に合わせて給電先を変更できる。蓄電池は太陽光発電からの電気を充電するので、電力会社の商用電力の使用を減らせる。同社は新システム搭載の住宅を売り出すほか、他の住宅メーカーや工務店にも外販する。
西洋ハウジングが開発した配電システムは、コンセントを差す専用の盤と、部屋へつながったコンセントで構成。盤には商用電力、蓄電池の電気のそれぞれの差し込み口がある。コンセントは壁の内側を通って各部屋につながっている。蓄電池は充電容量2・5キロワット時のエリーパワー(東京都品川区)製。
例えば、2階の部屋へつながるコンセントを蓄電池の口に差し替えると、2階の部屋の照明やテレビへ蓄電池が給電する。ドライヤー、電子レンジなど消費電力の大きい家電の使用時に蓄電池へ切り替えると太陽光の電力で賄い、商用電力の使用を抑えられる。
通常の太陽光発電や蓄電池システムは使う家電を選べず、停電時は限られた家電にだけ給電する。しかも、変更には工事が必要。開発した配電システムは非常時や完成後でも、自由に給電先を変えられる。
同社は2013年、太陽光パネルと蓄電池をセット化し、太陽光発電の電気を電力会社に売らずに家で使い切る「完全自家消費型システム」を搭載した住宅を売り出した。配電システムを搭載した住宅も完全自家消費型。宮城県名取市で販売しており、関東での分譲も計画する。
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