2017/02/27
住宅太陽光の創蓄連携を後押し、自家消費ニーズに応える新製品
スマートジャパン2/22(水) 13:10配信
パナソニックエコソリューションズ社は、太陽光発電システムとリチウムイオン蓄電システムを連携させ、停電時も電力を安定供給する住宅用創蓄連携システムの新製品「パワーステーションS」の受注を、2017年4月5日から開始する。
新製品の外形寸法はは549×776×195mm(ミリメートル)、質量は39.5kg(キログラム)と、従来比約3分の1に小型化し、省施工化を図ったのが特徴だ。価格は税別65万円。容量5.6kWh(キロワット時)リチウムイオン蓄電池ユニットの合計価格は同169万円で、販売目標は2017年度中に5000セットとしている。
現在、ZEH住宅の推進や、2019年以降のFIT期間終了ユーザーの電力自給自足の暮らしに向けて、蓄電システムへの期待が高まっている。パナソニックでは2011年の東日本大震災をきっかけに創蓄連携システム(ハイブリッド型リチウム蓄電システム)の開発に乗り出し、2012年2月に「業界で初」(同社)となる同システムを発売した。その後、新製品の開発および市場投入を続け、これまでに約8000台の販売実績がある。
ただ、同システムの発売してからの5年間で、市場環境に変化がみられてきた。これまでは停電時の安心や新築戸建て向けがクローズアップされ、それに合わせた商品づくりを進めてきたが、これから日常の安心やZEH、また既築分野などの新たなニーズも求められ、パナソニックではこうした要求に応えられる製品開発を強化。特に「売る時代から使い切る時代へ」と変わる太陽光市場の新しい潮流に沿って、新製品の投入で同社ではこれまでの太陽光のみの設置から、蓄電池を合わせて設置することを積極的に提案していく。
施工性も大幅にアップ
既築住宅に設置する場合、課題となるのがリフォーム工事だが、「新製品は体積が従来比3分の1とコンパクト化を図ることで壁掛け設置を可能にした。そのため、1日程度余分にかかっていた基礎工事の必要なくなり、大幅に施工期間が短縮できる」(パナソニック)という。
リモコン設定器と蓄電ネットアダプタの機能を統合したネットワーク対応型リモコン設定器を開発するなどして部材点数も大幅に削減した。さらに、「業界で初めて全端子の圧着端子カシメ加工を不要にした速結端子を採用し結線作業を半減した」(エナジーシステム事業部松本亮部長)と大幅に施工性を高めている。
特に配線・結線に関しては必要配線数そのものも17カ所と、従来比3分の2に削減している。このほか、無線LAN搭載により、LAN配線なしでHEMSへ接続可能なため、リフォーム時にも導入しやすくした。
機能的には2.0kWの高出力を維持。停電時に冷蔵庫や照明、通信機器などの常時使用する機器を使いながら、IHジャー炊飯器による炊飯や高出力な電気ケトルによる湯沸しが可能だ。また、将来の遠隔制御を見据え、付属のリモコン設定器に、外部システム連携に備えたネットワーク連携機能を標準搭載。最新の通信仕様である「ECHONET Lite Release H」に対応する。 |