2016/09/12
カネカが世界最高効率を更新、結晶シリコン太陽電池のセル変換効率で
スマートジャパン9月12日(木)7時10分配信
カネカはNEDOプロジェクトにより、最も普及している結晶シリコン太陽電池のセル変換効率で、世界最高となる26.33%を実用サイズとなる180平方センチメートルで達成した。これまでの世界最高記録25.6%を約0.7ポイント更新するもので、セル変換効率26%を世界ではじめて突破した。
今回、カネカがNEDOの「高性能・高信頼性太陽光発電の発電コスト低減技術開発」プロジェクトにおいて、開発した世界最高効率の結晶シリコン太陽電池は、ヘテロ接合バックコンタクト型を採用。カネカが開発した高品質アモルファスシリコンを用いたヘテロ接合技術や、電極の直列抵抗を低減させる技術、太陽光をより効率的に利用できるバックコンタクト技術を組み合わせることにより実現した。
ヘテロ接合技術は物性の異なる半導体材料を接合する技術で、結晶シリコンとアモルファスシリコンの組合せによる欠陥低減や、電気に変換できる光の波長が異なる材料を組合せることで変換効率を向上させることができる。バックコンタクト技術は太陽電池の裏側にのみ電極をつくり電気を取り出す技術で、電極を裏面に集約することで、受光面を広くできるため、変換効率を高めることができる。
カネカとNEDOは今後、発電コストの目標2020年14円/kWh(キロワット時)と2030年7円/kWhの実現に向け、高効率と高信頼性を兼ね備えた太陽電池の低コスト化技術開発に取り組む。カネカでは、今回の成果を活用した高効率太陽電池の製品化を計画しており、製品の実用化に向け開発を進めていくとしている。
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