| 2016/03/15 影のかかる所にも太陽光パネルを設置できる装置 EE Times Japan  3月7日(月)19時39分配信 ニプロンは、2016年3月2〜4日に東京ビッグサイトで開催された「スマートグリッドEXPO」で、ソーラー発電用の装置「PVMaximizer(PVM)」などを展示した。 【「100年コンバーター」 の画像】  PVMは、太陽光パネルが影や発電不良によって落ち込んだストリング(複数の太陽電池モジュールを直列に接続したブロック)の電圧を、最大電力動作点を維持したまま他ストリングの電圧と同じになるまで昇圧させる。これにより、ストリング間の電圧差をなくし、発電可能な太陽光パネルから最大限の電力を取り出すことができるという。 異なる種類/メーカーの太陽光パネルでも  太陽光発電所は、複数のストリングを接続箱経由でパワーコンディショナーにつないでいる。パワーコンディショナーにつなぐときには、それぞれのストリングの電圧は同じくする必要がある。そのため、わずかでも影がかかる部分は、ストリングの発電電力が大幅に低下することから、太陽光パネルを置かないのが一般的という。  PVMは、接続箱の代わりに設置することで、各ストリングの動作電圧を個別に最適制御(MPPT制御)できる*)。これにより、影がかかっている部分でも、そのときの最大点で発電可能になる。つまり、今まで設置していなかった部分に追設でき、パワーコンディショナーの利用率を高めて、既存システムでの売電収入の向上を実現できるとした。 *)MPPT:Maximum Power Point Tracking(最大電力点追従)という。  また、「異なる種類/メーカーの太陽光パネルで、枚数が異なっていたとしても、それぞれのパネルからしっかりと電力を得ることができる」(同社)と語る。 25年以上の寿命  PVMの中核には内蔵電源として、昇圧用DC-DCコンバーター「100年コンバーター」を搭載している。同DC-DCコンバーターは、冷却用のファンや電解コンデンサーなどを不要にしたため、25年以上の長寿命を実現。多重ブースター回路、スーパージャンクションFET/SiCダイオードの採用で、最大99.4%の効率を実現したとしている。  100年コンバーターは、出力電圧が600〜900Vと広いため、600/750/1000V系のメガソーラーに対応できる。他にも、監視用のソリューションなどを提供するとした。
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