2015/06/09
NEDOが太陽光発電のコスト低減に向け新プロジェクト 30年までに7円/kWhを目指す
エコノミックニュース 6月7日(日)20時51分配信
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が太陽光発電の発電コスト低減に向けて本格的に動き出した。NEDOは、「太陽光発電開発戦略」で掲げる発電コスト目標のため、高性能と高信頼性を両立した太陽電池の開発に着手すると発表した。このプロジェクトでは、14円/kWhを実現する太陽電池モジュールを2020年までに実用化するとともに、2030年までに7円/kWhを実現する要素技術の確立を目指す。
今回、NEDOはこれまでの太陽光発電の発電コストの成果をもとに、低減技術の開発、先端複合技術型シリコン太陽電池の技術開発、超高効率・低コストIII−V化合物太陽電池の技術開発、低コストペロブスカイト太陽電池の技術開発等を実施し、太陽光発電開発戦略(NEDO PV Challenges)で掲げる発電コスト目標(2030年までに従来型火力発電を下回る発電コスト7円/kWh)の実現に資する高性能と高信頼性を両立した太陽電池の開発を行う。
プロジェクトの主な実施内容は、1)先端複合技術型シリコン太陽電池の技術開発(採択先:トクヤマ、クリスタルシステム、コマツNTC、ナミックス、シャープ、京セラ、カネカ)、開発内容は結晶シリコン太陽電池の原料メーカー、装置メーカー、セル・モジュールメーカーが大学などと連携し、ヘテロ接合バックコンタクト等、先端技術を複合した、高効率かつ高信頼性を両立したシリコン太陽電池とその低コスト製造技術を開発する。
2)超高効率・低コストIII−V化合物太陽電池の技術開発(採択先:シャープ、パナソニック、大陽日酸、東京大学、豊田工業大学、電気通信大学、神戸大学、名古屋大学、名城大学、宮崎大学、東京農工大学、産業技術総合研究所)では、量子ドットや超格子セルを用いた超高効率化技術、成膜速度の高速化技術、安価基板上への成膜や接着技術、高価な基板の再利用技術等、従来の延長線上にない革新的高効率太陽電池をセル・モジュールメーカー、成膜装置メーカー、大学などが連携し開発を進める。
3)低コストペロブスカイト太陽電池の技術開発(採択先:パナソニック、東芝、積水化学工業株式会社、アイシン精機、富士フイルム、早稲田大学、東京大学開発)では、新コンセプトの製造装置、信頼性確保技術、発電原理の検証と信頼性の高い性能評価技術の確立、さらなる性能向上を目指す新構造、新材料の基礎研究を産官学連携による集中研体制で進める。(編集担当:慶尾六郎)
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