2015/05/23
ヤギの除草隊派遣 神戸の太陽光発電施設に
2015年05月23日
美濃加茂市の「ヤギの除草隊」が、神戸町にある太陽光発電所に派遣され、敷地内で除草作業に励んでいる。期間は来月末までで、太陽光発電とヤギの除草は、環境に優しい試みとして期待される。(湯山誠)
派遣されたヤギは、4〜2歳の雌4頭と雄1頭の親子3代計5頭。約370枚の太陽光パネルが敷き詰められた約1700平方メートルの敷地内で、ヤギたちが、パネルの下や間にある雑草を黙々と食べている。
太陽光発電は、電子部品メーカー「イビデン」の子会社・イビデンエンジニアリング(大垣市)が昨年12月から売電用施設として稼働させた。同社は環境や人に配慮した除草方法を検討し、美濃加茂市でヤギの除草に取り組む農業生産法人「フルージック」(高山市)に相談。昨年7月、ヤギによる除草作業を試験的に実施した結果、効果があると判断し、導入を決めた。
同社は導入にあたって、高い所に登る性質があるヤギがパネルに登らないように、高さを1・7メートル以上にしたほか、施設内の電線はほぼ埋設。また、ヤギの飲み水を確保する井戸を設け、新入社員らが交代で水などの世話をすることにした。
同社によると、ヤギ5頭は1日当たり、軽トラック1、2台分の雑草を食べるという。舗装するより草地なら温度上昇を抑えられて発電効率が上がるほか、ヤギの排せつ物による土壌改良の効果も期待できるとしている。
同社の水本 秀三 しゅうそう 常務(59)は、「ヤギは、癒やしの効果もあって子どもたちにも人気になりそう」と話し、秋にも派遣を依頼するという。ヤギを管理する渡辺祥二さん(45)は「ヤギは家族といると落ち着いてストレスも少ない。よく食べてフンをすることで土壌は1、2年で改良されます」と話している。
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