2015/04/10
<九州電力>巨大蓄電池の導入検討…太陽光の変動吸収
毎日新聞 4月10日(金)12時42分配信
九州電力が、福岡県豊前市の豊前発電所内に世界最大級の大型蓄電池の導入を検討していることが10日、分かった。国の公募事業に応募しており、計画が採択されれば、2015年度中に出力5万キロワット、容量約30万キロワット時の蓄電池を設置する。九電は蓄電池を管内の送電網に接続し、再生可能エネルギー固定価格買い取り制度(FIT)に基づく太陽光発電の受け入れ拡大につなげたい考えだ。
経済産業省は14年度の補正予算で、再生エネ受け入れ停止に緊急対応する補助金として744億円を充てた。九電が応募したのはこの事業の実証実験の一つで、今月9日が応募期限だった。約200億円の事業費は国の補助金で賄われ、九電は実験後も蓄電池を活用する。同省は応募状況について明らかにしていない。
国による同様の実験は現在、北海道電力と東北電力管内でそれぞれ容量6万キロワット時、2万キロワット時で実施しており、今回の実験規模はこれらを大幅に上回る。
気象条件によって発電量が変動する太陽光の急増で、九電管内は日中の発電量が需要を超える可能性が出ている。蓄電池で変動を吸収すれば太陽光の導入を増やせるが、費用負担が課題だった。
九電は昨年9月、再生エネの受け入れを停止。今年1月に再開したが、九電が再生エネ事業者に求められる出力抑制期間が無制限となり、再生エネの普及拡大に懸念の声が上がっていた。【寺田剛、遠山和宏】
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