2015/03/14
宇宙から太陽光発電を無線送電する技術、500m先のライトの点灯を実証
加藤伸一=日経BPクリーンテック研究所
3月12日(土)18時44分配信
三菱重工業は3月12日、宇宙太陽光発電システム(SSPS:Space Solar Power System)の中核技術として開発中の無線送電技術を実証試験し、500mという国内最長距離の無線送電に成功したと発表した。
宇宙太陽光発電システムは、将来の発電システムと位置付けて開発している。長距離の無線送電は、神戸造船所(兵庫県神戸市)内の地上試験で実証した。
送電ユニットから出力10kWの電力をマイクロ波で無線送電し、500m離れた場所にある受電ユニット側に設置したLEDのライトを、送電した電力の一部を使って点灯できた。500mという距離の無線送電は国内最長とし、送電した出力10kWも国内最大としている。
送ったビームが、受電ユニット以外の方向へ放射しないように制御するシステムの試験も実施し、問題のないことを確認した。
地上実証試験は、経済産業省が宇宙システム開発利用推進機構に委託した「平成24年度太陽光発電無線送受電技術の研究開発事業」の一環として、同機構との契約に基づいて実施した。電波放射型と呼ばれる無線送電技術を採用している。
宇宙での応用だけでなく、地上でも、送電線の敷設が困難な場所への送電や、洋上 風力発電 所から陸上への送電、電車への無線充電など、幅広い用途が見込まれている。
宇宙太陽光発電システムは、太陽光パネルを高さ3万6000kmの宇宙空間に打ち上げ、静止軌道上で発電した電力を、マイクロ波やレーザーを使って地上に無線伝送し、地上で再び電気に変換して利用するシステムである。
■ニュースリンク先
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20150312/408881/
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